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東京地方裁判所 昭和47年(特わ)445号 判決 1972年7月26日

本店所在地

東京都大田区南久が原一丁目八番二二号

日本建設興業株式会社

(右代表者代表取締役 岩田粂次郎)

本籍

東京都大田区田園調布一丁目六番地の五

住居

東京都大田区南久が原一丁目八番二二号

会社員

岩田幸子

大正一二年九月一三日生

各法人税法違反被告事件

出席検察官

西岡幸彦

出席弁護人

大竹武七郎

主文

被告会社を罰金八〇〇万円に、被告人を懲役六月にそれぞれ処する。

ただし被告人に対し本裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社日本建設興業株式会社は、東京都大田区南久が原一丁目八番二二号に本店を有し、土、石砂、砂利の採取、販売、運搬並びに残土処理埋立工事の請負等を目的とする資本金四〇〇万円の株式会社であり、被告人岩田幸子は、被告会社の使用人として同会社の経理事務全般を総括して担当しているものであるが、被告人岩田は、被告会社の業務に関し法人税を免れようと企て、残土処理収入の一部を除外して簿外預金を設定する等の不正の方法により所得を秘匿したうえ

一、昭和四三年四月一日から同四四年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が四四、八九九、三三一円あつたのにかかわらず、同四四年五月二八日東京都大田区調布大塚七七九番地の一所在所轄雪谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が二、一四一、〇七四円でこれに対する法人税額が五七八、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、同会社の右事業年度の正規の法人税額一五、四八三、三〇〇円と右申告税額との差額一四、九〇五、一〇〇円を法定の納期限までに納付せず、もつて同額の法人税を免れ

二、昭和四四年四月一日から同四五年三月三一日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が六八、〇〇〇、六五〇円あつたのにかかわらず、同四五年六月一日東京都大田区雪谷大塚町四番一二号所在所轄雪谷税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一三、三七四、五八五円でこれに対する法人税額が四、四一九、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、同会社の右事業年度の正規の法人税額二三、五三八、四〇〇円と右申告税額との差額一九、一一九、一〇〇円を法定の納期限までに納付せず、もつて同額の法人税を免れ

たものである。(なお、各年度の所得額および税額の算定は別紙一ないし三記載のとおり)。

(証拠の標目)

一、被告人の当公判廷における供述

一、尹元炳に対する大蔵事務官の昭和四六年七月二四日付質問てん末書

一、大蔵事務官井出桂一作成の昭和四六年七月一二日付売上額調査書二通

一、大蔵事務官大橋勝也作成の昭和四六年八月四日付架空傭車費調査書

一、布川光助に対する大蔵事務官の昭和四六年八月一六日付質問てん末書

一、大蔵事務官赤坂幸雄作成の昭和四六年八月四日付仮受金、仮払金、未払金等調査書

一、李念俊作成の確約書と題する書面

一、岩田久男に対する大蔵事務官の昭和四六年一〇月一四日付質問てん末書

一、大蔵事務官中野善夫作成の昭和四七年二月一四日付証明書

一、大蔵事務官菱田次男作成の昭和四六年九月四日付減価償却超過額計算書

一、大蔵事務官大橋勝也作成の昭和四六年八月二五日付雑費調査書

一、平田平内作成の「ゴム印等の販売価額について」と題する書面

一、大蔵事務官赤坂幸雄作成の昭和四六年八月六日付預金関係調査書

一、大蔵事務官大橋勝也作成の昭和四六年八月一〇日付固定資産売却益および売却損調査書

一、西村健男作成の上申書二通

一、沓沢孟作成の証明書

一、大蔵事務官大橋勝也作成の昭和四六年八月一四日付利息等計算書

一、大蔵事務官菱田次男作成の昭和四六年九月四日付交際費損金不算入額計算書

一、高田正一作成の昭和四六年六月七日付上申書

一、左記証拠物(いずれも昭和四七年押第一〇九一号、括孤内は枝番号)

総勘定元帳二綴(1、2)、所得税源泉徴収簿一綴(3)、給与台帳一綴(4)、領収証綴二四綴(5、6)、諸税領収書綴一綴(7)、処理券集計メモ二袋(8)、処理券集計表一綴(9)、確定申告書二袋(10、11)、法人税決議書昭和四三年三月期分(14)、源泉所得税決議書一綴(15)、決算書綴一綴(16)

一、被告人の検察官に対する供述調書

一、被告人に対する大蔵事務官の質問てん末書九通

一、被告人作成の上申書三通

(法令の適用)

判示各事実につき法人税法一五九条一、二項(被告会社につきさらに同法一六四条一項)、被告人につき各懲役刑選択

併合加重につき刑法四八条二項(被告会社)、同法四五条前段、一〇条(被告人、犯情の重い判示二の罪の刑に法定の加重)

執行猶予につき刑法二五条一項

よつて主文のとおり判決する。

(裁判官 池田真一)

別紙一 修正損益計算書

日本建設興業株式会社

自 昭和43年4月1日

至 昭和44年3月31日

<省略>

<省略>

別紙二 修正損益計算書

日本建設興業株式会社

自 昭和44年4月1日

至 昭和45年3月31日

<省略>

<省略>

別紙三 法人税額計算書

日本建設興業株式会社

<省略>

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